遮断機をNATOCでコントロール
2009年10月24日


 鉄道模型少年時代の遮断機をNATOCで制御する実験です。
 すでにNATOC 2では鉄道模型少年時代のレイアウトに対応しています。
 鉄道模型少年時代のレイアウトの踏切の動作(遮断機開閉、警報機点滅)をシミュレーションしています。
     

 シミュレーションでうまく動作しても実際のハードウェアで試したらうまくいかない事は多々あるので実際にレイアウトが完成する前に実験を行いました。
 実験にあたっては昭和の鉄道模型を作るのレイアウトを使用しました。
 車両は鉄道模型少年時代の創刊号の車両にTOMYTECの「鉄道コレクション」電動ユニットTM-11に乗せ換えたものを使用しています。(せめて車両だけでも鉄道模型少年時代の雰囲気を出すために)
 遮断機は鉄道模型少年時代のレイアウトで使うので昭和のレイアウトには施工せず実験台のままです。


I/Oコントローラの接続

 昭和の鉄道模型のレイアウトの踏切は2ヶ所なのでもう一組電動遮断機を作成しました。



 今回はメカ隠しのケースは付けずにメカ丸出し状態です。(個人的にはこちらの方が好きですが)
 なおストッパーは必要なので真鍮棒を取り付けています。

 今回の警報灯はチップLEDなるものを使いました。大きさが1.6mmの極小のLEDです。
 最初実物を見た時こんなの(半田付け)絶対無理と思いましたが人間やればできるモンです。
 案外熱に強いようです。その代わり電流には弱いようです(2個ダメにしてしまいました)

 また点滅装置にはトランジスタ、電解コンデンサー、抵抗でフリップフロップを自作しています。材料費100円以下で1個できます。



 部品はがグチャグチャなのは目をつむってください。(ウラはもっと見せられない、とにかく動けばいいのです)

 遮断機の開閉はポイント1とポイント2で行います。
 実験のため片方の警報機のON/OFFはオプション出力で行います。
 鉄道模型少年時代の踏切は3ヶ所でひとつは警報機だけの踏切なのでこれを想定しています。
 I/Oコントローラの接続方法の詳細はこちらを参照してください。

 自動制御行う前にNATOCのコントローラーで手動で遮断機を動かしてみます。


 遮断機は動いたのですが、その後コントローラーの反応がありません。I/Oコントローラがエラー状態になったままです。
 おそらく電流が流れすぎてノイズでI/Oコントローラが暴走してしまったのだと思います。
 NATOC開発中サージアブソーバ(過電圧吸収用素子)を付けずポイントを切り替えた時と同じ現象です。
 やはり模型用のモーター(2個直列)に12V(TCS電源)は大きすぎるのだと思います。
 パワーパックのTCS電源から取らずに5Vの電源アダプタを使用しました。

 I/Oコントローラが暴走はなくなりましたが遮断棒の開閉が途中になってしまいます。
 12Vの時はモーターのスピードが速かったため完全に開閉できたのですが5Vだと十分開閉できるスピードではないのだと思います。
 そこでポイントの通電時間を変更します。標準では0.1秒(設定できる最小値)ですがこれを0.1秒に変更しました。
 鉄道模型少年時代のレイアウトには普通のポイントはないので今回の遮断機接続を想定して標準を0.2秒に変更しました。(バージョン2.10以降)
 なおモーターの電圧をもっと低くするとゆっくり動作するのでよりリアルな動きになります。
 その場合はこの時間設定を長くしてください。変更方法はこちらを参照してください。


踏切の制御設定

 遮断機の開閉や警報機のON/OFFは自動運転プログラムで制御できますが、その場合はいちいちプログラムを実行しなければいけません。
 またコントローラを使った手動運転の場合、遮断機の開閉もコントローラで行う必要があります。
 そこでNATOCのレイアウト制御機能を使います。
 これはレイアウト上に領域を設定して、車両がその領域に出入りする時にレイアウトの制御を行うものです。

 レイアウト制御の設定はレイアウトエディタ(LayoutGen=NATOCで提供)というプログラムを使います。



 2ヶ所の踏切を中心に領域をふたつ定義します。
 これらの領域の境界線とレイアウト上の線路が重なった部分に車両が来た時にレイアウトが制御されます。
 駅前の踏切はポイント1で商店街の踏切はポイント2で制御します。
 駅前の踏切の警報機は遮断機自身でON/OFFしますが、商店街の踏切の警報機はオプション出力でON/OFFさせます。
 こちらも同様のメカでON/OFFしますさせればNATOCで制御する必要はありませんが、オプション出力のテストも兼ねているのであえてリレー7で制御させてみます。
 また各領域に入った時と出た時に警報機の音を制御するように定義しました。
 領域が重なっていますがNATOCで再生停止をコントロールする(他でも再生している同じサウンドは停止はしない)ようにしています。
 レイアウト制御機能の詳細はこちらを参照してください。


踏切の制御設定

 踏切の制御設定が終わったらレイアウトエディタのレイアウトデータの出力機能でレイアウトにデータを書き込みます。
 NATOCを起動すれば自動的に踏切が制御されます。
 なお鉄道模型少年時代のレイアウトではすでに踏切の制御設定が行われていてレイアウトデータと提供されます。
 鉄道模型少年時代のレイアウトの駅の踏切の制御はポイント1でカーブの踏切の制御はポイント2で行います。
 また遮断機のない小踏切はオプション出力(リレー7)で制御するように定義されています。
 これらの設定や領域位置や大きさを変更する場合はレイアウトエディタで修正してください。

 コントローラでの手動運転やプログラムによる自動運転で踏切が制御できる事を確認しました。
 ただしNATOCで提供されているサンプルプログラムはほとんどのものにポイント制御が含まれてます。
 鉄道模型少年時代のレイアウトはポイントがないためこれらのプログラムは正しく動きません。
 少年時代テストいうプログラムはポイントを使いませんのでこれで確認してみてください。
 なお踏切テストいうプログラムが含まれていますがこれは踏切の制御をテストするものでレイアウト制御機能による踏切の制御と同時に動かすと踏切が2重にコントロールされてしまいます。
 このプログラムを動かす場合は設定メニュの制御領域機能コマンドで制御領域機能を抑制(チェックを外す)しておいてください。

 NATOCでコントロールしている踏切の動画(YouTube)です。
     

 右の遮断機はポイント1で制御しています。この警報機のON/OFFは遮断機自身がスイッチとなっています。
 左の遮断機はポイント2で制御しています。この警報機のON/OFFはオプション出力のリレー7で制御しています。

 鉄道模型少年時代の9号からレイアウトの木製ベースが提供されています。次回は実際にこのレイアウトに電動遮断機を設置していきます。

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